オレンジといえば、ハーブよりもフルーツのイメージが強いと思いますが、中国原産の薬用植物です。今も昔も中国では盛んにオレンジを薬として用いています。
あの七味唐辛子に入っている陳皮は完熟果の果皮を、乾燥させたもので、消化を助ける漢方薬です。
日本では温州みかんがリンゴと共に日本人に愛され、良く食べられている果物ですが、オレンジが日本に伝えられたのは、明治の中頃で、意外と歴史の浅い果物だったのですね。
ハーブティーとして飲まれているオレンジブロッサム(オレンジフラワー)は、ビターオレンジの花で、果実よりも甘い濃厚な香りで、和名はダイダイです。
オレンジには、結婚にまつわる伝説が多く、花言葉も『花嫁の喜び』です。ギリシャ神話でゼウスが結婚の時、妻ヘラにオレンジを贈ったことから、花嫁の髪に、この花を飾る習慣が生まれたと言われています。甘い香りが漂う清らかな白い花は、花嫁の初々しさを引き立て、繁栄と多産のシンボルであるオレンジは・花嫁を飾る花・として、非常に大事にされました。『オレンジの花とつぼみの冠は結婚のシンボルで、同時に純潔のしるしである』というフランスの言語学者エミール・リトレの言葉があるぐらいですから。
オレンジは十字軍によって、世界に広まっていき、中世では貴重な薬としてアラブの医師のお気に入りだったようです。16世紀に初めて、花からオイルが抽出されるようになり、とても甘い芳香はイタリアの王女アンナマリー・デ・ネロリの大のお気に入りとなり、いつも手袋にこの香りをつけ愛用したので、現在もこの精油は王女に由来してネロリと呼ばれています。
しかし、たくさんの花からわずかしか採れない精油は、現代でもローズオットーなどと共に、とても高価な精油です。また、オレンジブロッサム(オレンジフラワー)のハーブの香りは、間脳を刺激し、勉学する意欲が湧いて来る香りです。
勉強やお仕事の前には、ぜひオレンジブロッサム(オレンジフラワー)のハーブティーを飲んでみて下さいね。