爽やかでスッキリしたメントールの香りで、キャンディーやチューインガム、紅茶など、色々な食品や料理に使用され、とても身近で、親しまれている多くの品種のあるハーブです。
中でもお茶に使うミントはペパーミント、スペアミント、アップルミントの3種があげられます。
ギリシャ神話では、暗黒の身体をもつ冥界の神プルトンが、ある時久しぶりに地上に姿を現わし、地獄の河神コキュトスの娘・妖精のメンティーに恋をします。ところが妻のペルセフォネに発覚し、二人の恋に嫉妬したペルセフォネは、メンティーを小さな白い花に変えてしまいました。メンティーは美しい妖精の姿を失ったあとも、清涼感のある魅力的な香りで人々を惹き付けたそうです。
またギリシャの哲学者アリストテレスの著書「疑問集」の中で「ミントには、人の体を冷やす効果があるため、争うことがバカバカしくなるので、戦争中は食べてもいけないし、植えてもいけない」という一節があります。
お祭りで売られていたなつかしいハッカ飴やハッカパイプもミントの仲間です。正式名を和種ハッカといい、ペパーミントのメントールは50~60%なのに、和種ハッカはメントールが70~90%含まれ、世界中のハッカ属の中で最も多く含有するため、日本のハッカからとった天然メントールが世界中に輸出されていたことがありました。
●効能
主成分のメントールは消化促進や強壮、消毒の効果に優れています。
新鮮なミントはタバコの嫌な匂いや体臭を消すので、室内の芳香剤としてもおすすめです。ハッカの葉は漢方薬として矯味矯臭、駆風、整腸、解熱、発汗、健胃の目的で調合されます。
焼肉屋さんで、食後にミントキャンディーを渡されるのも納得ですね。
またメントールは鎮痛、鎮痒作用もあるので、ハップ剤などの外用薬としても、広く使われています。
最近ではペパーミント精油に病原性大腸菌O-157に対して強い殺菌力があるという試験結果が話題になっています。
●料理
古代から料理の風味づけに重宝されてきたハーブです。
ジャガイモやグリンピースを茹でる時に一枝のミントを鍋に入れるのは、イギリスの家庭料理の基本とか。
またお肉によく合うハーブなので、刻んで少量の砂糖と酢を合わせたソースを、ラム肉のローストの風味づけに使うのが定番だそうです。
ベトナム風生春巻きや、ギョウザにほんの少しだけ刻んで加えると、いつものギョウザもさっぱり味のヘルシーギョウザに大変身です。
またミントを使ったドリンクもたくさんありますが、ミルクやはちみつに加えるドリンクをご紹介します。
●臭予防
メントールのさわやかな風味で、口の中がさっぱりし、気になる口臭を 予防します。お仕事が忙しくてイライラする時に、リフレッシュナーとしてお使いになることも、おすすめです。
●消毒除菌
ペパーミント精油の強い殺菌力を利用した除菌スプレーは、まな板の消毒やエアコンの除菌など日常生活にとても役立ちます。
●美容
古代ギリシャでは、ミントは入浴に欠かせないハーブのひとつでした。フレッシュな葉を浮かべたハーバルバスは、精神的にもリフレッシュでき、筋肉痛をやわ
らげるので、歩き疲れたときなどに、いかがでしょうか。またミントウォーターは、毛細血管を収縮させ、皮膚組織を引き締めるので、かゆみ、炎症、日焼けを
やわらげ、脂性肌やニキビ肌の方に、おすすめです。